思いつく事など

●Plastic bag, O.K.?
 大概どこのスーパーで買い物をしても、"Plastic bag, O.K.?"と聞かれる。一旦何と言っているのか分かると、後は問題無いのだが、初めて聞くと何と言われているのやら分からないのがこの言葉である。大体そういうことを聞かれることを予想していない上に、ビニール袋がプラスチックバッグ等と呼ばれていることを知らないと聞き取れずに戸惑う。何か聞かれるとするなら、現金払いかカードとかチェックかと聞かれているのか、と予想する所だが、単にビニール袋に入れていいかと聞かれているのである。適当にYes.と答えて買ったものをビニール袋にいれて貰えばそれでいいのだが、何でわざわざ聞くのかなと不思議であった。資源節約の為かと思えば、買い物篭を手に下げた人など見かけたことはない。一度だけ紙袋にして貰っているおじいさんを見かけたが、プラスチックバッグでなければ紙袋にしてくれるのかも知れない。そう思ったので知り合いのアメリカ人に尋ねたところ、「"Paper or platic?"と聞かないか?」と言っていた。中味が見えないのを好む場合があるのか、はたまた燃した時の公害物質を気にするのかは知らないが、まあとにかく紙袋かビニール袋かを確認しているようだ。
 コロンバスに住んで1年経とうという頃になって、初めて"Paper or plastic?"とか"What kind of bag today?"なんて言っているのを聞いたが、やはりどうやら紙かビニールの選択肢があるということらしい。

●For here or to go?
 これもファーストフードで毎度聞く言葉だが、初めて聞いた時には何を言われているのか聞き取れなかった。初めて聞いたのは、数年前ハワイでマクドナルドに入ったときのことである。"For here?"と聞かれて、は?何と言ったの?と戸惑った。中学校1年で習う単語が二つ並んだだけのものだが、初めて聞いた時は唐突で、何のことやら聞き取れなかった。「おひや?」とも聞こえた。そこはハワイ、英語で買い物をしても、日系のおばちゃんでもないアメリカ人の女の子が「はい、おつり」と聞き取りやすい日本語で喋った場所である。たばこのキャメルを注文したら、キャビンが出てきたりした土地である(キャしか合ってないじゃんか。日本人の顔と最初のキャで判断したとしか思えない)。とは言え、水ではなく「お冷や」という言葉まで知っているのは妙だし、わざわざ水要る?と聞いてくるのも変な話だと思っていたら、同行の英語に堪能な方に、店内で食べるのが"for here"で、お持ち帰りが"to go"と聞いた。言われてみりゃあ何のこともないのだが、流石に、いやー聞き取りも楽じゃないねと思ったものである。この時のおかげで、こちらオハイオに来てからこの件で恥をかくことはなかったが、簡単そうな言葉で困ることはしばしばである。ところで、日本では"to go"が"take out"と言われているが、これはアメリカに来てから一度も聞いた事が無い。とは言っても、辞書には、"take out"が、「(米)〔料理〕を買って持ち帰る」と載っているし、外資のマクドナルドの事であるから、"take out"が日本語英語で間違っているという訳でもないのだろう。一般にはアメリカでは"take out"と言わないのか、それともマクドナルドだからマニュアルで決まっているのか分からないが、まあとにかく"For here or to go?"も"Plastic bag, O.K.?"同様、知ってちょっとびっくりな言い回しである。

●マクドナルヅ
 上記に話題にした「マクドナルド」は、"McDonald's"なんだから、カタカナ書きすると本当は「マクドナルヅ」になる筈であろう。(ズにすべきかヅかは知らないが、dに'sがついているのでヅにしてみた。)"Wendy's"が「ウェンディーズ」なんだから、不公平な気がしなくもない。日本語表記する時に、読みやすさか語感のせいかでapostrophe sとか、複数のsが無視されるのはままあることだが、英語で喋るぶんにはちゃんと発音したいところである。細かい事をいうと、キャンディーズがちゃんと複数で、ピンクレディーが単数なのも妙ではある。このようないい加減な外来語の日本語表記は日本人が正しい英語を学ぶ時の弊害になると指摘する先生もいるが、確かにその通りとは思う。"Hearing test"も、まるで聴力試験のようで正しくないとその著書にあった。辞書に、「聞き取り練習 a hearing exercise」と載っているから、これはあながち悪くもないような気もするが、辞書に載っている表現でも、アメリカ人にそれは使わないなあと言われることもあるので、実際はその先生の言う通りかも知れないが。
 まあともかく、「食べれる」と言う様な不自然な日本語を直すついでに、外来語を少し見直すのも良いかもしれない。既に一般化しているものについては、今更難しいとは思うが、今後、不自然な日本語英語はなるべく作らない様にした方が良いとは思う。アメリカ人と話している時、「サマータイム」と言ったら通じなくて、"daylight saving time"と言われたがこの時もそう思った。ちなみに、長野のオリンピックはこちらのCBSが独占中継していたが、オリンピックは"the Olympic Games; the Olympics"が正しいようだ。
 言葉は文化であるから、正しく受け入れてあげるのが筋というものだろう。日本のアニメは海外の諸国で人気で、"Anime"で通じるようになってきている例もあるから、意外と日本語英語も侮れないのかも知れないが。
 上記のように書いては見たものの、本文中、日本語英語を使わないようにこだわっているかというとそうでもなく、結構いい加減にしている。これは全く著者の不勉強といい加減さによるもので申し訳無いところである。オリンピックまでオリンピックスとまで書き始めると不自然だし面倒というのもあって・・・。本文中の人名や地名も、カタカナでなくアルプァベット表記に統一しようかとも思ったのだが、綴を知らない場合もあったりして面倒になって殆どカタカナ表記にしてしまったりしている。ご容赦願いたい。
(Apr. 13, 1998)

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