Social Security Number

 こちらで暮らすには、Social Security Number (SSN)というのをも取らなければならない。住民票の登録は無いが、これが必要である。とにかくこれが何かと出てくる。何年前から始まった制度なのかは知らない。
 SNNは銀行の口座を開くにも、運転免許を取るときにも必要である。銀行の口座を開く時にはまだSNNは受け取っていなくても良かったが、後に受け取ってから知らせた。何かとこれで管理しているようである。この番号を持っていないと、アメリカの住民と認められないようである。電気、ガス、電話の会社に契約を申し込んだときもSNNを聞かれた。とにかくSNNが無いことには暮らせない。
 大学内でもe-mailのアカウントを取ったりするときに必要となる。こちらに来てすぐは大学内のみで通用するtemporaryの999で始まるSNNを発行してもらい、確かこれを使って大学のIDを発行してもらった。大学内では建物の鍵を借りるとき、図書館で本を借りるとき、その他諸々、このIDが必要である。このID cardをactivateしてもらわないと、顕微鏡の置いてある部屋や研磨機の置いてある部屋に入れない。このID cardはactivateしてもらいさえすればそういった部屋の鍵や、コピーカードとして使えて便利といえば便利なのだが、なんだかIDで管理されているのが少し気持ち悪い。一般の暮らしではともかく同様にSNNで管理されているようである。
 このSNN、9桁の数字である。278-**-****で、なんだか、アメリカの人口2億6,000万人と近い数字である。一人に一つの番号が与えられ、その人が死んだら同じ番号が他の人に使われるということがないとすれば、結構新しい制度なのであろうか。このSNNの書いてあるカードは青っぽいぺらぺらの紙である。郵便で送られてきた。
 Detch the card below and sign it in ink immediately. Keep your card in a safe place to prevent loss or theft. Do not laminate your card.
と書かれた部分から切り離すと、キャッシュカード、テレホンカードと同じくらいの大きさである。
 国民一人一人の個人情報は、このSNNで管理されているのであろうか?性別、年齢、住所などなど。その他、犯罪歴など。どこかに大きなデータベースがあって、管理されている気がする。そのデータベースには出身校やら結婚、離婚歴、犯罪歴なども入っているのではないだろうか。銀行にもSNNを知らせるくらいだから、資産なども分かるようになっていたりして。もっとも、銀行としては身元確認のために使っているだけかも知れないが。
 名前だけだと、同姓同名も多いだろう事から、個人を見分けるために番号を割り当てたということなのだろうか。まあ便利ではあるだろうが、どうも番号で管理されているというのは感じが悪い。
 ところで、こちらの大学、廊下に張り出された学生の成績の掲示には個人名が無く、SNNの下4桁で表示されていた。学生番号で示すのと同じ様なものではあるけれど、ここにもSNNが出て来るのかと、ちと驚いた。
 このSNN、いろいろな所で聞かれるので、cardのコピーを財布に入れて持ち歩いていたが、運転免許証にもしっかり入っているので、今後このコピーは持ち歩く必要がないであろう。
(July 4, 1997)

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