クリスマス(後編)

 夕方からのパーティーは、少人数で、イヴの日に集まったメンバーと同じく、シャオフイ、フェイとそのお母さん、パトリックと私の5人で、場所はシャオフイのアパートであった。少人数なのは、他の皆はクリスマス休暇で何処かに出かけていたからである。マーカスはドイツに帰っていたし。
 私が持参する料理としては、シャオフイが寿司をリクエストしていたので、それを作ることに。といっても、にぎり寿司は大変そうなので、ちらし寿司を作った。自分で作ったのは初めてであるから、味の方は保証のかぎりではない。シャオフイは餃子を用意すると言っていた。
 ちょっと遅れてシャオフイのアパートに行くと、皆もう大分食べた後のようだったが、昼からのパーティーでたらふく食べて消化仕切れてない私は慌てることなく。餃子はなかなか美味しかったのだが、胃に余裕がなく、あんまり食べられなかったのが残念であった。
 私の自作のちらし寿司はなかなか好評であったのが有難い。ちらし寿司の元もなかなか侮れず。鮪の刺身、卵焼き、海苔、三ッ葉などで表面を飾り、見た目も悪くない。ヨーロッパ系の皆さんには新鮮でもあろう。フェイのお母さんが用意したデザートを食べ終えた時には満腹もいいところであった。
 さて、このパーティーで、先日の誕生会のお返しか、フェイが皆にちょっとしたプレゼントを。パトリックには母親製の檸檬を漬けたウォッカの小瓶。シャオフイには人形、私には小さなマイク型のメッセージレコーダー。メッセージが入っていると言うので聞いてみると、なんとも聞き取りづらい。パトリックも聞きとれない位なのだから私にはきつい。その内容をフェイに聞いてみると、"Godzilla wishes Eiji a Merry Christmas!" だそうで、最後にガオーガオーガオーォォォ・・ンという吠え声付きのゴジラのものまね(?)のメッセージであったのだ。道理で聞きづらい訳だ。どうせ喋るならゴジラには日本語を喋ってもらいたいものだが、アメリカ版のゴジラも製作されたのだから仕方無いだろうか。誕生日にあげたゴジラのビデオにちなんでいるあたりが洒落ている。
 お茶なぞ飲んだあとはゲームを。この時はフェイとパトリック自作の双六ゲームで、止まる場所によって、罰ゲームが用意されているという代物。ウォッカを飲むとか、グミベアーを何秒以内に幾つ食べるとか、腕立て伏せとか、女装するだとか。その罰ゲームに使われたおかげで、パトリックへのクリスマスプレゼントであった檸檬ウォッカは空になってしまった。
 そんなこんなが、その年のクリスマスであった。いろいろあって、なかなか楽しいクリスマスシーズンであった。年末、何処かに出かけるのもいいかと思うが、身近なところでクリスマスを味わうのもいいものである。

(April 15, 1999)

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