英語の勉強?(中編)
日本語番組に英語の字幕が付いたものの入手であるが、これは意外と簡単。OSUのアニメクラブのコアメンバーであるデリックが、日本のアニメの英語字幕付きのビデオを沢山持っている。それを借りればいいのである。というか、実は頼む前からあちらから貸してくれたのでそれを見ることにしたのである。面白い面白くないにかかわらず、ともかく見てみる。「ふしぎ遊戯」、「天空のエスカフローネ」、「ひめちゃんのリボン」、「おにいさまへ・・・」、「未来少年コナン」、「ベルサイユのばら」などのTVシリーズや映画等など、幾つか見た。「ふしぎ遊戯」、「天空のエスカフローネ」、「未来少年コナン」については1話から最後まで見た。
見るだけでもいくらか効果が期待出来るのだが、昼ご飯を一緒に食べに行くデリックとの会話の話題に出来るのが有難い。むしろこれによる相方向の会話の方が、脳味噌への刺激が高かろうというものである。日本で英会話教室にいくと、わずかな時間ネイティブ・スピーカーとダベるだけで、何千円かになるようだが(行った事がないのでよく知らないが)、こっちは只なのでまさにお得である。
大学の中の研究室は実はアメリカ人は少なく、中国、インド人が多い。インド人はイギリスの植民地であった頃から英語はぺらぺらだが、英語を真似して喋るには、やはりアメリカ人の方がよかろう。デリックが良く喋る質で、しかも共通の話題があるのは有難いことであった。勿論専門分野での方が共通の話題があるものの、専門用語をちりばめた会話では、生活に関連した表現を学ぶのにいま一つである。
共通の話題として、日本のアニメは格好かと思ったら、意外とそう簡単でもない。子供の頃私が見たようなのは彼は知らないし、彼が知っている割と新しいものはこちらが知らない。日本語のタイトルを言われてもこちらが分からなかったりすると、なんだかさまにならないものがある。
以前にパーティーで一緒になったフランス人と三島由紀夫の話題となり、あんまり読んでないのでちょっと気恥ずかしい気がしたことを書いた。また、「七人の侍」を見たのはデリックが買ったDVDを一緒に見たのが初めてであったが、日本の有名な文学や映画作品を外人が知っているのにこちらが知らないというのは、なんとなく引け目を感じてしまう。日本のアニメくらいならと思ったら、アメリカ人の方が詳しいと分かると、やっぱりやられたと思ってしまうのである。日本のアニメに詳しいのは、ほんの一部の人達であろうとは思うのではあるが。
そんな訳で、日本語のアニメの英語字幕版というのは結構見た。デリックに、日本語を勉強するなら、逆に英語の映画の日本語字幕付きなど効果的かも知らんぞと勧めたが、残念ながら日本語字幕は漢字が多いので、ある程度漢字を覚えてからでないとつらいようである。お気の毒なことではある。単純に逆も真なりとはいかないようだ。
以前「もののけ姫」の翻訳を一緒にやったジェイソンは、週刊少年サンデーなど読んでいる。漫画だと絵で状況が判断出来るので、意外と効率的だという。教科書的な文章は少なかろうが、生きた言葉の学習としては結構良いかも知れない。この場合、逆も真なりと言えるかも知れないということで、結構漫画も買ってみた。長編小説を読み始めて断念するよりはよかろうということで、デリックに教えて貰ったコミック屋さんでたまに買っている。日本の様に、本屋に山と並んでいるということはないのでコミック専門店に行く必要があるのだ。
日本では漫画があふれかえっており、本屋でも販売の効率の良い漫画が専門書の場所に取って代わったりして、ちょっと悲しいものありであるから威張れたものでないのだが、一種の文化として定着した感はあり、優れた作品も多いので馬鹿にしたものでもない。とはいえ、日本の漫画の市場の大きさは、アメリカに比較するとびっくりするほど大きいのではないだろうか。
この話の続きは後編に譲る。
(April 7, 1999)
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