自動車免許
97年6月13日、この日はこちらの自動車運転免許の試験を受けに行った。簡単に書き換えだけでは済まないところが面倒である。国際免許を持ってはいるが、有効期間は1年間なので、1年で帰るにしても帰る直前に無免許になってしまう。免許証は身分証明としても便利だし、有効期間が4年なので、帰国後、又アメリカに来る際にはわざわざまた国際免許を取らなくて済むかも知れないので取ることにした。 アメリカだから結構いい加減ではないかと多少期待していたのだが、まずまずしっかりしている。筆記試験は法規と標識の各20問。それぞれ75%とればよい。一応はダイジェストブックを見てそれなりには勉強しておかないと出来ない。それが終ると操縦性の試験というのか、それを駐車場で行い(Officeは町はずれのshopping centerの中にある。操縦性の試験はそのSCの駐車場の一角で行われる。)、その後路上に出て10分程試験官の言うとおりにうろついて試されるという具合。これらのテストは自分の車で行う。
こちらでは車はあたりまえなのか、高校とかでも教育がされるのであろう。で、一般的には、先ず、例のダイジェストのテキストを個人で勉強し、視力と筆記の試験を受けにいく。これには予約もなにもいらない。
通れば免許を持った人が着いていれば路上に出てよいということになる。そして、練習して十分慣れたかなと思ったらdrivingの試験を受ける。 実技試験の方は、試験官が付くため予約が必要である。とまあこんな感じのようで、仮免のようなものはちょろく取れてしまう。ということは、そこここに練習中の車がいるに違いない。あぶなかしい感じである。どうも教習所というものは無いようだ。
ここらへんはいい加減に感じるが、試験は意外と真面目なものであった。
国際免許や他の州の免許がある場合には、上記の筆記、実技を1日で終らせられるよう予約が取れるとのことなので、電話でその様に予約した。筆記試験の方で失敗すると実技試験の予約がパーになるので、前日は本を読んで真面目に勉強した。とはいえ寄る11時に電話があって起きるまではついソファーで寝てたので、そのままだったら結構やばかったかも。
電話で起こされた後、しばし勉強したおかげか、筆記試験の方は法規が90点、標識が95点と悪くない成績であった。筆記試験は4択で、各問正しいと思われる答えにチェックを付けるというもの。標識の問題の方は覚えたそのままなのだが、法規のほうは応用問題的なものが多く、常識的に分かりそうな問題もあるが、一応は勉強しておかないと。試験問題の紙には幾らかは種類があるらしいが、だいたい似た様な問題が出るというので、受けた人からこんな問題が出たと聞いていたので助かった。この試験問題、持ち帰ることが出来ず、採点後はシュレッダーに欠けられてしまう。
筆記試験の前に行われた視力検査は、箱を覗いて、中に映っているアルファベット何文字かを読み、左右どちらかで光るライトがどちらで光ったかを答えるものであった。日本の様に円の一部の欠けている方向を答えるというものではなかった。
体重が何ポンドか、身長が何フィートか聞かれるが、適当にkgとcmの値を換算してくれと頼む。
筆記に合格すると、ややほっとし、次の実技を待つ。しばらくすると、愛想の悪い黒人のおばちゃん警官がやって来て、この名前はおまえかと聞いてくる。そのおばちゃんが試験官であった。先ずは操縦性の試験。Shopping centerの大きな駐車場の一角にポールが5つ並べられている。4つは四角形の各頂点に、もう一つはその先に置かれている。先ず車を四角形の底に置き、ポールで作られた四角の中を抜けてその先のポールの右、もしくは左に行って、車の後部が5つめのポールと並ぶように止める。そして、その次には、車庫入れの様な感じで、バックで最初の位置まで車を戻すというものであった。
これにパスすると、次に路上試験。前述のように、試験官の指示通りに運転して一回りしてくるというもの。ここで結構困るのが、無愛想な黒人のおばちゃんの言う事が聞き取りにくいということである。同居していた日本人の先生は、Light(信号をsignalと言わずこういったようだ。)のところでRight(右)に曲がれとか言われたとかで混乱したという。また、イギリス、アメリカで数年間暮らしたドイツ人のウルスラでさえ、試験官の言う事が聞き取れなかったという。市内には二箇所試験の受けられるところがあるが、僕の受けたのも上記の二人と同じところだし、後で話しを聞くと、試験官はどうやら同じおばちゃんであった。
この無愛想なおばちゃんが指示を出す度に、右だね?そこを左だね?といちいち確認していたので、大した問題は無かったが、駐車場から外に出る以前、右に行けと言うから駐車場内で右に曲がったら、そうじゃなくて外に出てから右だと言われるなどの勘違いはあった。やれやれ。
実技試験の採点は減点方式。結構このおばちゃんしっかり見ており細かいチェックをする。流れに入って行くときに注意が不十分とかいう項目にもチェックをされたと思う。日本の教習所でのように、やや大げさに首を動かし、安全確認をアピールすればよかった。先の操縦性の試験ともに、26点を超える減点があると失格。各テストとも10点減点でパス。
試験が済むと、そこのofficeで写真をとり、すぐに免許証のカードを作ってもらえた。ほっとした。日本と違い右側通行の道路が、それまでいかにも借り物の様に感じられていたのだが(当然今だって借り物なのだが)、こちらの免許を持って運転すると、なんだか堂々と運転出来るように感じられた。一安心。
(July 4, 1997)
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